2010年11月30日

演奏家と聴衆の間の埋まる事ない溝なんて

今日は新宿のSomeday。Mike Priceのクインテット。いつもだとビッグバンドなのですが、今回のような小さい編成では彼も初めての出演だったようです。

考えさせられました。ミュージカルの仕事も大隅さんの仕事もたくさんの方々に見てもらい楽しかったですが、今日のライブではMikeが真面目に自分のオリジナルで勝負しようとしている企画でした。フタを開けてみると・・・・・寂しかったですね。別に音楽的には・・・お客さんには理解するのは難しいのかなぁ。ジャズのミュージシャンは、特に今まで時代時代でいろいろなムーブメントがありましたから、その時代に若くして頑張っていた時代の音楽をずーっと演奏している方が多いです。Mikeの音楽もそう、80年代頃のハーモニーやリズムを難しくして行く流れの頃のジャズで、今よりも昔とは言え、演奏も難しいです。彼の曲はその頃の影響を受けているのはとてもわかります。ジャズはそれこそニューオーリンズ、スウィングからビバップ、モダンと時代と共に明らかに難しくなって来ている事は確かなのでジャズに傾倒すれはその時代時代の難しい音楽にチャレンジするのは当たり前の事なので、Mikeの音楽はその時代の頃を色濃く残しているサウンドでした。

時代と共に難しくなっていくというのはどの音楽も変わりはないのですが、しかし聴衆がいなければ成り立たないのが音楽というものであるからやはり表現を受ける人たちに気を使うのはある程度仕方がない事だと思います。汗水たらして働いたお金を使ってくれるのだからその通りと言われれば仕方がない。でもそれで音楽のレベルを下げてしまうのも辛い所。その音楽のレベルって話となるとまた複雑で、ずーっとそのことを考えていました。なんだったのだろう、音楽って生活の中に根付いているものだと思っていたのに、いつの頃か職業としてなってしまって生活の糧としてやることになるとどれだけ難しい事なのか痛感しています。ただただベースが上手くなりたくて音楽をやっていて凄い楽しくてずーっとこのまま弾き続けていたいという情熱だけで今の今に至っているのですが、なんか、考えさせられた出来事でした、今日の事は。Mikeはもう21年も日本に居て頑張っています。私も留学中には沢山のアメリカ人や、ヨーロッパ人、ヒスパニック系の人たちに助けられてきました。だから出来る限りは助けになる事はやって行きたいからまだまだ一緒にやる機会は多いと思いますが彼には凹まずに続けてもらいたいですね、この企画は。

そういえば、私も大学時代もまだジャズって良くわからなくて何がいいのかさっぱりでした。ロック、ポップスからフュージョンに行ってジャズに傾倒したのは留学中でした。NYにはジャズが似合う。まさに環境で変わりましたが、理解出来れば本当に楽しい音楽なのですがね、ジャズも。でももう一般の方がどういう風に音楽を聴いているのかわかりません。私はもう教育を受けてしまって「知らない」という方々の持つ耳と同じような感覚に戻す事が出来ません。だからどうジャズを紹介していいのかいつも悩みます。

こうなると本当に自分が音楽で何を表現したいのかさらにわからなくなりますね。音楽じゃなくて人間を見に来ているのかなぁ、聴衆は。いやぁ、そういうわけでもないから。でもその人間性が出ている、生き様が出ている演奏には引かれて来るのではとも思いますが。熱海で言われた「わかり易い、親しみがある音楽を演奏してもらったおかげでみなさん本当に楽しんで帰られた」という言葉がまだ耳に響いていますが、確かに楽しめたらまた次回来たいと思いますよね。次に繋がるわけですよね。その部分ではやはり音楽もエンターテイメントでないと興行としては成り立たないわけで・・・さぁ、私はこれからどうする?という気分です。

新宿通りも表参道ほどではないですがデコレーションされていました。奇麗でした。それが何かむなしさを助長させられていたというか。お疲れさまでした。明日から12月ですよ!早い、早いなぁ!
posted by Tao at 15:37| Comment(0) | 徒然なるままに